長崎の女性は愛することでこんなに幸せだった。
それぞれのタイプやラブストーリーを見てみよう!!

お滝さん

お滝さん

シ-ボルトもぞっこんの超美形少女
幸せな2人の暮らしはほんの数年
その後は日本とヨ-ロッパの超遠距離恋愛
当時の事情からするともう会えないかもしれない2人
しかし、お互いの永遠の愛を信じることによって長崎で再会を果たすのでした
シーボルトとの恋

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●「お滝」は江戸時代後期の人
丸山町引田屋の遊女で源氏名は其扇(そのぎ)

出島に出入りしていたお滝は、医師として来日していたドイツ人であるシーボルトと恋に落ちます
幸福な毎日を送るのも束の間、一時帰国しようとしていたシーボルトの荷物から当時国外への持ち出しが禁じられていた日本地図や羽織などが見つかり、スパイの容疑をかけられてしまいます
そして、シーボルトは妻子を残し国外追放の身となってしまいました(シーボルト事件)
しかしその後もお滝とシーボルトはお互いの思いを手紙でつづり続けました
ところが、お滝は親戚の勧めに抗いきれず再婚したことをシーボルトに手紙で送りました
一方のシーボルトもオランダで再婚をし子供をもうけましたが、再びお滝さんに合うために長崎を訪れるのです

二人の間に生まれたのが、漫画『JIN-仁-』にも登場した日本初の女性産科医である”イネ”です

お滝さんの恋のスタイルは
どんな障害にも負けない”信じる愛”
お滝さんのラブアイテムは
シ-ボルトからもらったであろう「ビ-ドロのポッペン
これを眺めながら幸せだった日々を思い出していたのでしょう

キク

好きになったら一直線
どんな障害があろうとも好きになった人のためなら自分の犠牲はいとわない
その思いが相手に届かなくても、それでも幸せなのです
世界遺産にも登録されている「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のお話しです
遠藤周作「女の一生」より

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●「キク」は幕末のころの人

長崎へ奉公に出たキクは、かつての中野郷の少年、清吉に再会します
キクは、清吉に恋し、彼の所に嫁ぎたいと思うのですがが、清吉たちの浦上村中野郷の人々は禁制の隠れキリシタンであることを知ります
やがて長崎の役人にも露見し、清吉も隠れキリシタンとして囚われ、みなは全国に流刑となります
清吉を助けたいと思うキクは、大浦教会で働き日本政府に抗議しますが清吉たちは釈放されません
キクは教会を飛び出し役人のつてを求めて丸山の芸子として働きます
そこの客には清吉達を迫害する役人の伊藤清左衛門もいました
「自分と寝れば清吉を楽にしてやる」と言われ、キクは伊藤に身を任せてしまうのでした
キクは辛い思いをしながら、津和野の役人を買収するために伊藤をはじめさまざまな男達に身を売って金を作ります
伊藤はその金を使い果たしてしまいますが、キクの手紙や差し入れは清吉に渡すのでした
清吉にとってはキクの存在が大きな希望となっていくのです
しかし、キクは、清吉に送る金を作るために身体をさいなみ、労咳にかかってしまうのです
店にも戻れなくなり、雪の降る日、大浦教会のマリア像の前で死んでしまうのです

キクの恋のスタイルは
”献身的な愛”自分が尽くすことで幸せを感じるのです
キクのラブアイテムは
大浦天主堂で見たであろう「ステンドグラス
ステンドグラスを見るたびに清吉への思いが募ったことでしょう

真知子

真知子

戦時中の明日をも知れない命
そんな時に奇跡的な出会いを果たした2人
真知子と春樹は、その後もすれ違いながらもお互いを思わずにいられない
忘れたくても忘れられない禁断の恋の物語
果たして奇跡的な出会いは必然の出会いだったのか
菊田一夫「君の名は」

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●「氏家真知子」の昭和20年5月

第二次大戦、東京大空襲の夜
焼夷弾が降り注ぐ中、たまたま一緒になった見知らぬ男女、氏家真知子と後宮春樹は助け合って戦火の中を逃げ惑ううちに、命からがら銀座の数寄屋橋までたどり着きます
一夜が明けて、二人はここでようやくお互いの無事を確認するのでした
お互いに生きていたら、半年後の11月24日、それがだめならまた半年後に、この橋で会おうと約束し、お互いの名も知らぬまま別れました
やがて、2人は戦後の渦に巻き込まれ、お互いに数寄屋橋で相手を待つも再会が叶わず、1年半後の3度目にやっと会えた時は真知子は、既に明日嫁に行くという身でした

しかし、夫との生活に悩む真知子、そんな彼女を気にかける春樹、2人をめぐるさまざまな人々の間で、運命はさらなる展開を迎えていくのです
第3部では雲仙温泉が舞台となっています

真知子恋のスタイルは
すれ違いと”禁断の愛”
障害があればあるほど燃え上がってしまうのは人間の性でしょうか
真知子のラブアイテムは
縁結びで有名なパワ-スポットの温泉神社には寄り添うように立つ「夫婦柿(めおとがき)」があります
真知子もきっとお参りに来たことでしょう

律子

律子

複雑にからみあう一方通行の恋愛事情
律子も幼馴染みの千太郎に失恋
その律子をいつも見つめていた薫
その後律子は、いつのまにか薫のことを目で追いかけるようになった自分に気付くのです
小玉ユキ「坂道のアポロン」

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●「迎 律子」の昭和41年夏

長崎県佐世保市
高校1年生の西見薫は、親戚の暮らすこの町へと引っ越してきました

優等生で周囲に心を閉ざしがちな薫でしたが、“札付きの不良”と恐れられるクラスメイト・川渕千太郎と心優しいクラスメイト・迎律子との出会いが彼を変えていきます
初めてできた親友、初めての片思い、千太郎を通じて知ったジャズの魅力…
海辺の街を舞台に、切ない恋と、胸を打つ友情、そして音楽がまぶしく交錯します
女性は愛するよりも愛される方が幸せだといいますが律子の心の変化に注目です

律子の恋のスタイルは
女性の幸せは”愛されること”
傷ついてこそ、気づかされることもあるみたいです
律子のラブアイテムは
青春の原点は「ジャズ」すべてはここからはじまったようです

光代

毎日漫然と生きる中で、何かを探している光代
そんな時に出合った祐一は自分にそっくり
お互いが探し求めていたものを、お互いの中に見つけます
警察に包囲される中、祐一は自分を忘れさせるため、最後の優しさを持って光代の首に手をかけます
吉田修一「悪人」

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●「馬込光代」の平成21年冬

祐一に出会えて女としての幸せをようやく手に入れられると思っていた光代は、自首しようとする彼を引き止め2人で逃げることを決意します
祐一が殺人犯として指名手配された後2人は車を乗り捨てて逃避行し、とある灯台にたどり着くと空き家となった灯台守の小屋で過ごし始めます
祐一と逃亡生活を送っていた光代はある日
数km先の街まで歩いて買い出しに行きますが、警官に保護され、その後すきを見て逃走を図ります
派出所を抜け出した光代は必死に走って祐一のいる灯台の小屋まで戻りますが、密かに警察車両が彼女の跡を追っていたのです

灯台にパトカーのサイレンが近づく中祐一は、自分のわがままで自首を阻止したことを泣きながら謝る光代の上にまたがり彼女の首に両手をかけるのでした。
そしてそれが祐一の最後の優しさだと知っている光代なのでした

光代の恋のスタイルは
”直感の愛”
愛をつらぬくために周りが見えなくなってしまうことも
光代のラブアイテムは
逃走を続けていた12月は、2月に咲く「つばき」のつぼみがつくころ
これから花を咲かせるつぼみを見ながら、幸せな未来を思い浮かべていたこともあるでしょう